序 章 イスラーム主義が動かす中東政治
第Ⅰ部 国境を越える抵抗と革命 —— ヒズブッラーの誕生と発展
第1章 抵抗と革命を結ぶもの —— ヒズブッラーの誕生
はじめに —— 抵抗組織か、それとも革命組織か
1 トランスナショナルなアンブレラ組織
2 イラン・イスラーム革命からレバノン戦争へ
3 イランによる 「革命の輸出」
4 シリアの戦略地政学
おわりに —— 抵抗と革命を結んだもの
第2章 抵抗と革命の思想 —— 自爆攻撃を合理化する
はじめに —— ヒズブッラー思想を腑分けする
1 「公開書簡」 の思想
2 「革命」 によるイスラーム国家の樹立
3 力の行使を正当化するもの
おわりに —— 抵抗と革命が結ばれたとき
第3章 国境を越える内戦とテロリズム —— イスラーム主義に震撼する冷戦構造
はじめに —— 国際政治における 「内戦国家」
1 宗派制度の光と影
2 国家変容としてのレバノン内戦
3 国境を越えるテロリズム
4 大シリア地域システム
5 冷戦下の国際システム
おわりに —— 震撼する冷戦構造
第Ⅱ部 多元社会のなかのイスラーム主義 —— レバノン化するヒズブッラー
第4章 「テロ組織」 が政党になるとき —— ヒズブッラーのレバノン化
はじめに —— 「テロ組織」 は政党になれるか
1 内戦の終結と第二共和制の成立
2 逆風に立たされる抵抗と革命
3 ヒズブッラーのレバノン化
4 権力の二元的構造の下での政党
おわりに —— 「武装政党」 の誕生
第5章 多極共存型民主主義におけるイスラーム政党 —— 民主主義・宗教・ナショナリズム
はじめに —— イスラームと民主主義の接点を探る
1 第二共和制の議会政治と選挙制度
2 宗派制度へのコミットメント
3 宗派横断的動員の強化
4 アドホックなネイション
おわりに —— イスラーム主義が支える民主政治と国民統合
第6章 対イスラエル闘争と中東和平問題 —— 紛争はなぜ終わらないのか
はじめに —— 紛争はなぜ終わらないのか
1 紛争の基本構図
2 「対テロ戦争」 を生き抜く言説戦略
3 対イスラエル闘争の新局面
4 中東和平交渉のなかのヒズブッラー
おわりに —— 終わらない紛争、遠のく和平
第7章 抵抗社会の建設と社会サービス —— サバルタン・ヒズブッラーの日常実践
はじめに —— サバルタン・ヒズブッラー
1 ヒズブッラーの組織構造
2 ヒズブッラー系列NGOの諸相
3 ベイルート南部郊外における社会サービス
4 抵抗と革命を飼い慣らす
5 抑圧者/被抑圧者のアイデンティティ・ポリティクス
おわりに —— 軍事と政治の狭間に生きる
第Ⅲ部 今日の中東政治の結節点 —— ヒズブッラー化するレバノン
第8章 「新しい戦争」 としての2006年レバノン紛争 —— 均衡はなぜ崩れたのか
はじめに —— 崩壊した 「恐怖の均衡」
1 2006年レバノン紛争 —— 均衡はなぜ崩れたのか
2 「新しい戦争」 としての2006年レバノン紛争 —— 戦争はなぜ正当化されたのか
3 新しい 「旧い戦争」?—— 暴力装置のハイブリッドからアマルガムへ
4 「恐怖の均衡」 が生み出す安定と不安定 —— 新たな代理戦争の構図
おわりに —— 「恐怖の均衡」 が再び崩れるとき
第9章 「杉の木革命」 による民主化とその停滞 —— レバノンのヒズブッラー化
はじめに —— 民主化はなぜ座礁したのか
1 合議による合意形成 —— 第17期国民議会選挙 (2005年)
2 レバノンのヒズブッラー化 —— 親シリア派による 「反革命」
3 新たな内戦の危機 —— エリートの対立から市民の対立へ
4 「二大政党体制」 の盛衰 —— 第18期国民議会選挙 (2009年)
おわりに —— 宗派制度における権力分有と権力闘争
第10章 「アラブの春」 で変わる中東政治 —— 保守としての抵抗と革命
はじめに —— 流動化する中東政治
1 レバノンにおける 「静かなる革命」—— レバノンのヒズブッラー化の到達点
2 「アラブの春」 で蠢動するヒズブッラー —— 勢力拡大の好機
3 シリアにおける 「アラブの春」—— 庇護者喪失の危機
4 保守としての 「レジスタンス枢軸」—— 「30年戦争」 の継続
おわりに —— 温存される紛争構造
終 章 イスラーム主義と中東政治の新時代
1 イスラーム主義のフロントランナー
2 中東政治の結節点
3 地域研究の実践例
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收起)