マレーシア=多民族社会」は二つの段階をへて醸成された。
第一は、19世紀半ば、イギリスによる「植民政策学」であり、
第二は、大戦後の植民地最終期のアメリカの「地域研究」であった。
これらの言説の形成をになったのは現地の人々ではなかった。
マラヤ=多民族社会は、一種のナショナルな言説として
登場したといえるが、
現地の人々が自画像を描くためには、
それに先行するさまざまな肖像を参考にするほかなかった。
この過程は、植民地主義的な認識の一方的な受容だった
わけではない。
そこでは、みずからにとってつごうのよい表象を選びとり、
つごうの悪いものを捨て去るような取捨選択があった。
本書は、マレーシアにおける国民的な「主体」形成を、
植民政策学、地域研究、自国研究という
学問分野の成立過程とのかかわりで論じた刺激的な論考である。
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