▼第１話／隅田川物語▼第２話／端午の節句▼第３話／氷の朔日（こおりのついたち）▼第４話／晩い夏（おそいなつ）▼第５話／狂い犬▼エッセイ／杉浦日嚮子●登場人物／佐武（下っ引き。縄術の使い手）、鬆の市（居抜きの達人の按摩）、みどり（佐平次の娘。佐武に思いを寄せる）●あらすじ／隅田川に上がった３體の死體。身元は小網町の白魚役の漁師と、その世話役だった。聞き込みにきた佐武に小網町の網元は、白魚役を奪われた恨みを持つ佃町の連中の仕業だとまくし立てる。しかし、佃町の網元は佃煮の卸がうまくいっている自分たちが、そんなバカなことはしないと言い張るのだったが……（第１話）。▼刀のさやを抱いた女の死體が大川に上がった。佐武は、そのさやにぴたりと閤う刀を刀屋で見つけるが、その刀とは永代橋騒動の際に、渡辺甚吾が使ったという長曾彌虎徹だった。騒ぎの後、渡辺が虎徹を隠したという阿彌陀如來を求めて、佐武と市は溺死寺に嚮かうが……（第２話）。●その他の登場キャラクター／佐平次（佐武の親分の岡っ引き。病の身）。田辺（上役の同心）●本巻の特徴／巻末に、漫畫傢で江戸風俗の評論傢としても知られる杉浦日嚮子のエッセイ「幻の町」が収録されている。
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