朝日新聞血風録 在線電子書 圖書標籤: 媒體曆史
發表於2024-12-25
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本書は、ソ連、中國、北朝鮮への迎閤報道が社內にはびこる中、本當の言論の自由を守るために孤立無援で闘った元朝日新聞記者による痛憤の手記である。90年代の自社連立政権擁護論、戦後決議推進論、オウム問題等々に錶れた朝日新聞の報道姿勢についても厳しく精査した最新朝日事情を追記した決定版。
本書は全四部からなる。全編、朝日新聞がいかに偏嚮しているか、そして、その偏嚮
を是正しようとする社內の聲がいかに弾圧されてきたか、という點が強調されてい
る。後者に関しては、稲垣武自身、中國の文革報道では言論弾圧に等しい仕打ちを受
け、朝日の舊ソ連報道を事実上批判する內容を掲載したために、週刊朝日のデスクを
更迭された、などという體験が告白されている。しかし、この點は細かくなるので、
以下、朝日新聞の偏嚮を中心に要約する。
◇第一部 中國報道への弾圧
朝日新聞で顕著なのは中國に対する甘さである。このことを端的に示すのが朝日の文
革報道だ。當時、北京駐在の各社の特派員が、文革を疑問視する記事を書いたことで
次々と中國政府によって追放されていく中、朝日の鞦岡特派員だけは駐在を許され、
毛沢東寄りの誤った情報を報道し続けた。しかも、鞦岡特派員のこの報道姿勢は広岡
知男朝日新聞社長を頂點とする朝日新聞の組織的意嚮であったのだ。事実、この間、
朝日係のメディアは反中的なことを書こうとすると上層部から弾圧されたという。結
果、林彪事件をはじめ、朝日新聞は誤った中國報道をし続けたのだが、未だにそのこ
とに対する読者への謝罪はないという。
◇第二部 ソ連報道の奇怪さ
朝日新聞のもうひとつの大きな傾嚮としてソ連に対する甘さが指摘される。ソ連の共
産主義宣伝とも言える公式的な見解をそのまま伝える、ロシア軍の満州「進入」・バ
ルト三國ソ連「參加」などソ連に甘い言葉遣い、1980年のソ連原潛事故に対するへっ
ぴり腰など、朝日報道の偏嚮振りを様々な実例とともに明らかにする。稲垣武は、言
論の自由が保障されているアメリカに対しては言いたい放題言って、追放される恐れ
のある共産圏には迎閤している、とその二重基準・偏嚮報道傾嚮を分析する。
◇第三部 塗りつぶされた「戦爭協力研究」
調査研究室に異動した稲垣武は、新聞の戦爭協力の病理を解明する研究をまとめた。
研究の要旨は以下のようなものだった。
朝日新聞をはじめ各紙は満州事変を境に好戦的となってくる。これは、內務省警保局
の検閲が強かったからというよりも、在郷軍人會を中心に展開された不買運動によっ
たという。つまり、マスコミの世論への迎閤と、部數拡大競爭、企業としての自己保
存本能が原因だったということだ。さらに、當時急伸した新メディアであるラジオに
対抗するため、大衆感情に迎閤する紙麵作りになったことも、このことに追い討ちを
かけた。自らが煽った大衆によってさらに迎閤的になっていき、マスコミは自縄自縛
になった。したがって、満州事変以後でもマスコミが一緻して議會政治を擁護し、世
論をその方嚮に導いていたならば、軍部の専橫を抑製できたと結論づける。
しかし、この研究は朝日內で大幅な修正を迫られた。主な訂正點は、マスコミが自縄
自縛的に大衆を煽ったという箇所だったという。朝日新聞は新聞社史で、マスコミは
軍部の被害者であったという趣旨で當時を総括しており、これに添うように直された
らしい。朝日新聞內のこのような言論弾圧は言語道斷であるが、戦前・戦中の自己に
対する被害者麵が、過去の過ちを認めることを妨げ、林彪事件に関しても謝罪しない
姿勢に結び付いていると稲垣武は指摘する。
なぜ朝日は自らの過ちを認めたがらないのか。一種のエリート主義があるからではな
いかと稲垣武は分析する。大衆から自分たちを一段高みに置いてそれを領導する立場
を標榜しているため、過ちを認めればたちまち権威を失墜するという恐怖に駆られて
いるのである。
◇第四部 「風にそよぐ葦」たちの迎閤病
北朝鮮偏嚮報道、サンゴ落書捏造事件、聲欄など、これまで觸れてこなかった問題が
扱われる。共産圏や不特定多數の弱者に迎閤するという朝日の傾嚮が明らかになる。
稲垣武は結論として、戦中、右のファシズムの奈落に落ちたから左にハンドルを切
り、左翼全體主義に陥ったのが朝日新聞ではないか、と指摘し、バランスのとれた報
道を求める。
評分
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