源実朝の家集『金槐和歌集』の伝本には、大別して定家所伝本と貞享本がある。悲劇的にその短い生涯を閉じた源実朝は、鎌倉幕府三代将軍であり、後鳥羽院廷臣であり、都を遠く離れた東国に住む歌人であった。実朝の人となりは後代に伝承され、そして、その代表歌一首一首は親しみをもって鑑賞されてきたのである。
言うまでもなく、短詩型の中に完成された宇宙をもつ表現形式である、という点に於いて和歌は一首でも充分自立し得る表現形態であり、一首一首の解釈が詳細になっていくのは、研究上の必然である。しかし一方、そのような和歌を集めてひとりの撰者が歌集を編むときには、一首一首の和歌は恣意的にではなく、秩序をもって配列されるのである。その結果、作品には独自の統合性が内在するはずである。
本書では定家所伝本『金槐和歌集』の配列構成を、貞享本と比較しつつ分析。その特質、作品世界の独自性を論じ、定家所伝本が実朝自撰である可能性を、時空認識を切り口に内部徴証から明らかにする。
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