TO▲BIO(トビオ) vol.1 在线电子书 图书标签: 安彦良和 大塚英志 多田由美 コミック しりあがり寿
发表于2024-12-25
TO▲BIO(トビオ) vol.1 在线电子书 pdf 下载 txt下载 epub 下载 mobi 下载 2024
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<特集 初心者のためのまんが家入門>
「我は如何にしてアニメーターとなりし哉」 安彦良和
「初心者のための絵コンテ入門」 多田由美
「センセーだかなんだか。」 しりあがり寿
「キャラクターの動きとコマ割の空間のコト」 菅野博之
「まんがにとって『映画的手法』とは何か」 大塚英志
「流刑地(カフカ「流刑地」より)」 谷岡曜子
「言わなきゃわかんねぇじゃねぇか」 西川聖蘭
「きみに届けるぼくの物語」 浅野龍哉
「モンとも!」 太田義洋
「Kの昇天(梶井基次郎「Kの昇天」より)」 中島千晴
「まんがみたいな恋の話」 赤本尚美
「no title」 山路亮輔
「それから。」 松田有莉奈
「鳥取尻連合」 中田旭保
「terrible company」 北川翔士
「わにのなみだ」 重田恵美 イラストレーション/赤本尚美
「獏」 宍田友美
06MMクラス① 安藤龍兵 李嘉蓮 今田裕紀 岡田いおり 徐于女亭
06MMクラス② 綱島夢美 遠山裕子 野口祐希 東岡里恵 逸見有香 濱田崇史
『TOBIO』創刊記念読者プレゼント
創刊の辞
編集日記 大塚英志
■創刊の辞■ 大塚英志
本誌を手にとっていただいた読者の方は、この奇妙な雑誌にいささか戸惑っておられるかもしれません。安彦良和、しりあがり寿、多田由美、菅野博之と並んだまんが家たちの顔ぶれは、ぼくはともかく、新しいまんが雑誌としてはけっこう豪華です。しかし、ページをめくってみるとこれらの面々はまんがではなく「まんがの描き方」についての記事やエッセイを描いています。一方、掲載されているまんが作品の作者には誰一人聞いたことがある人はいないはずです。
種あかしをすると、この雑誌は「先生」と「生徒」でつくられているのです。ずらり並んだ著名まんが家たちは「先生」、そして作品を描いている無名のまんが家たちは「生
徒」です。ぼくたちは神戸芸術工科大学メディア表現学科まんがアニメーション専攻の「先生」と「生徒」たちなのです。
ぼくたちが神戸の山の中にある小さな大学でまんがやアニメーションを教える学科をスタートして二年半が過ぎました。普通、この種の大学や学校の「先生」としてパンフレットに載っているまんがの先生はあまり学校に実際には来ないケースも珍しくないのですが、ぼくたちは皆、ちょっとアマノジャクなので一週間の半分はちゃんと神戸で「先生」をしています。ぼくの研究室の右隣りが安彦教授、左隣りがしりあがり教授、二つ挟んで右隣りに多田准教授がいます。神戸でいつも顔をあわせます。週に一回は特別教授の安田均先生がグループSNEのスタッフとともに現れます。今年の夏休みは菅野特別講師と学生で徹夜の「合宿」をしました。
これらの先生たちが普通に学生と廊下で話したり学食でカレーを食べたり、何より毎日授業をやっています。それがぼくたちの大学の日々の光景です。ぼくも夜は学生たちと三宮の街で遊んでいます。学生たちはそれが「日常」なので何とも思いませんが、まんがや出版の世界から見たらちょっとありえない光景です。ちなみに多田准教授の研究室の隣りのスタジオでは映画監督の石井聰互教授が学生と映画の編集に籠もっているはずです。けれど学生にとってぼくたちはただの「先生」に過ぎず、ぼくなどはその感じがけっこう気に入っています。
ぼくは若い頃、編集者として幾人かのまんが家のデビューに立ち会いました。そういう現場の感覚からすれば「大学でまんがの描き方を教える」のは本末転倒もいいとこだ、と思いもします。ぼくはそもそもまっ先にそういう悪態をつく人間です。しかしぼくはアマノジャクですから、では本当に大学でまんが家を育てられないのか、あるいはどうやったら大学でまんが家を育てられるのかと考えもしました。そしてやはり少しだけ歳をとったのかもしれません。次の世代をちゃんと育ててみたいとけっこう本気で思うようになりました。
本誌に作品を掲載したのは一人を除き三年生、つまりぼくたちの学科の一期生の学生です。これで全員、というわけではなく、雑誌の新人賞をとったり担当さんのついた学生は外してあります。雑誌に載せるより今回の原稿は投稿しなさい、と指導した学生の作品も残念だけど見送りました。
それでも二年半、ぼくたち教員が手塩にかけて育てた最初の生徒たちの「今」の姿がここにあります。学生だけで雑誌をつくるなんて何を考えているのだ、まんがをナメるなと思われるかもしれませんが、若い時、ぼくが小さな出版社で小さな雑誌をつくっていた時、こちら側の世界に「おいで」と引っ張り込んで今は誰もが知っているようになったまんが家たちの当時のレベルには少なくともこの子らは達している、とぼくは思っています。あるいはそれは「先生」としてのいささかの欲目かもしれません。
ただ、二〇歳そこそこの彼ら彼女らの大半はペンさえ持ったことのない状態で入学してきたのです。この二年半の成長を傍らで見てきたぼくたちはこの先、彼ら彼女らがどんなふうに成長していくかはっきりと見える気がします。そのまばゆいばかりの彼らの未来が気がつけば「うらやましい」と思う年齢になっている自分に驚きもします。
この『TOBIO』創刊号の目次に並んだ作家名は二〇〇八年秋の時点ではぼくたち「先生」の方が世の中に知られています。でも一〇年経ったら「生徒」たちが現役のトップにいてぼくたちを追い抜いてくれているはずです。その点はぼくたちはけっこう本気で信じています。
さて、この『TOBIO』用の原稿を最後に生徒たちの巣立ちが始まります。新人賞をとったもの、担当がついたもの、デビューが確定したものがもう数名います。残る生徒
たちもそれぞれ投稿や持ち込みを始めつつあります。三年生の秋はふつうの大学だったらリクルートスーツを着て会社訪問を始める時期です。ぼくたちの生徒たちはまんがの原稿をたずさえて、神戸から東京行きの新幹線に乗ります。ぼくたちは生徒たちに出版社で担当さんがついたらもう何もアドバイスしないよ、と言ってあります。そうやって巣立った生徒も出てきています。
それは編集者としてまんが家を育てていた時とは全く違う感覚です。正直にいえば、この過酷な世界へと旅立っていく彼ら彼女らを案じる気持ちの方が強かったりもします。
『TOBIO』という誌名はいうまでもなく手塚治虫先生の『鉄腕アトム』からの借用です。ロボット少年トビオを造ったのは天馬博士ですが博士はトビオを放り出してしまいます。トビオがアトムになるにはお茶の水博士の存在やトビオ自身が自ら運命を生きていったからです。
だからあとは彼ら彼女らが自力で自分の人生を切り開いていくしかありません。
そして、天馬博士が「地上最大のロボットの巻」でアトムの前に立ちはだかったように、いつかぼくたちの競争相手としてまんがの世界で彼ら彼女らと真剣に競う日が来るまで「現役」で走りつづけようと密かに決意もします。それは多分、先生たち共通の思いのはずです。
ぼくたちの最初の「子供たち」を宜しくお願いします。
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