人が死せんとする時は、必ずしも苦しいとは限らないのではなかろうか。生と死のはざまを彷徨い、幾度も死線を乗り越え、見えてきた生とは——。偶然ではあるが、自ら死の淵を意識、体感し、先人達のことばを腑に落としてゆく。そしてこれまでに出会った友人、知人たちについて思いをはせ、それぞれの人生を思うとき、見えてくるものがある。丹精込められた版画作品も、命の奥行きを物語る。『やぶ蚊ぶんぶん』に続くエッセイ第二弾
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