宋代知識人の諸相 在線電子書 圖書標籤: 兩宋史 海外中國研究 日本 日人漢學 思想史 小島毅 宋遼金史 宋史
發表於2024-11-01
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本號の特集は,「序言」にもあるように,1999 年 3 月に東京大學で開催された宋代史シンポジウム「宋代史研究者から見た中國研究の課題―士大夫,読書人,文人,あるいはエリート」に基づいているという.ここには,4名の宋代史研究者による基調報告と,コメンテーターとして參加した明・清代中國史,イスラーム史,日本史,西ヨーロッパ史の研究者の手になる論考とが収録されている.このような構成には,宋代知識人のありかたを,中國史の枠內にとどまらず,知識人をめぐる歴史研究全體の中で把握しようとするシンポジウムの企図が明確に反映されている.それはまた,地域・時代を問わず、現在の知識人研究の成果と問題點とを一望できる點で,後學にとってもきわめて有用なものになっているといえよう。
かりに科挙に代錶される「國傢」的な任官システムが存在しない地域・時代を扱う場閤でも,ここでの成果はきわめて示唆に富んでいる.知識人が地域エリートでもあるという歴史的事実は,そうしたシステムを前提としながらも,むしろ人的結閤関係を軸とした稀少な書物や知識の共有の可能性という點から説明されており,こうした中で自他ともにエリートであることが認容されるような公の領域が,地域レヴェルでも生み齣されてきていることに光があてられている.こうした議論は,イスラーム史におけるウラマーのありかたを考える上でもみすごすことはできない。
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