『楚辭』と楚文化の総閤的研究 在線電子書 圖書標籤: 楚辭 楚文化
發表於2024-11-26
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http://www.kyuko.asia/book/b166012.html
【序―「信屈」「疑屈」を超えて―】より(抜粋)
本書は 2009 年度から2012 年度まで4年間に亙る文部科學省科研費・基盤研究(B)一般「中國古代戦國 期における楚文化の學際的研究─中原との関わりに著目して─」の研究成果をまとめたものである。
本書に収めた論文は、「『楚辭』の発生」「『楚辭』の展開」「『楚辭』の伝承」の3つの視點から『楚辭』文學の本質に迫ったものである。「Ⅰ『楚辭』の発生」には、近齣の齣土資料などの新資料を駆使し、『楚辭』がいかにして、どのような目的を持って生まれてきたかを探る論考5篇を収める。「Ⅱ『楚辭』の展開」には、『楚辭』の作品群が戦國期から漢に至るまでにどう展開したかを、齣土資料・伝世文獻・語學の各方麵から探る論考5篇を収める。「Ⅲ 『楚辭』の伝承」には、『楚辭』やその注釈に錶現されている楚國や屈原のイメージの分析を通じて、『楚辭』がどのように伝承されていったかを探る論考3篇を収める。
これらの論考で『楚辭』の主要作品はおおよそカバーしており、その排列は3 つの視點の順であると同時に、ほぼ『楚辭』の諸作品の時代順にもなっていて、立體的な構成となるよう工夫している。すべて13篇の論文の中心近くに位置する石川三佐男「古代楚王國國策と考古齣土資料から見た楚辭文學の発生と展開」は本書の根幹をなすものであり、當プロジェクト最大の成果と言えるものである。そこで主張されている、楚國の「國策」という観點から『楚辭』を見直すという基本方針は、メンバー皆が共有しているものであるが、本書の論文の中には「國策」の観點により直接的に迫る論文もある一方、政治とは直接かかわらない主題を追究した論文もある。13 名の執筆者の間には當然それぞれに分野の違いや研究の積み重ねがあるし、その拠って立つ方法も様々である。先に「立體的」と言ったのはそうした立場の違いも含めてのことであり、それこそが冒頭で述べた「分野や方法論の枠を超えてそれらを有機的に融閤させた研究」という當プロジェクトの眼目なのである。
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