睡虎地秦簡と墓葬からみた楚・秦・漢 在線電子書 圖書標籤: 津南讀書2019 曆史
發表於2024-11-27
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http://www.kyuko.asia/book/b287552.html
【解題に代えて より】(抜粋)
本書は、元明治大學文學部教授・鬆崎つね子氏が公刊した論考の中から一〇編を選んで、一書にまとめたものである。鬆崎氏は病気のため、二〇〇二年度を以て明治大學を退職されたが、在職中に數名の大學院生等に論考をまとめる意思のあることを述べていた。ただ、病気のため、退職後、論考をまとめて公刊することが難しい狀況であった。また、『睡虎地秦簡』(明徳齣版社、二〇〇〇年)の著作があるように、鬆崎氏は睡虎地秦簡を用いた研究でも學界に知られていたが、退職と時を同じくして張傢山漢簡「二年律令」の公開があった。そのため、內容上、一書にまとめるにあたっては睡虎地秦簡だけではなく、「二年律令」の內容を踏まえた書き直しを考慮する必要などもあったため、退職後間もなくの齣版は斷念せざるを得なかった。ただし、本書に収めた論考を一読すればわかるように、鬆崎氏の睡虎地秦簡を用いた論考は、必ずしも「二年律令」の內容を踏まえなければならないという內容ではない。
その點でいえば、同種の史料としてひとくくりにされがちな睡虎地秦簡と張傢山漢簡の史料的性格の差異を明確化しうる意義がある。また、実際に日常的に鬆崎氏の講義などを聞いていた人間にとっては、漆器や墓葬といった考古學的資料を大量に用いた議論を展開し研究を進めていた印象も強い。事実、論文もそうした內容のものがかなり多く、これらは二〇一六年現在、根拠となった考古學的資料はやや古めではあるものの、學術的価値が失われているとは考え難い。さらに狀況を大きく変えたのが裏耶秦簡の公開である。二〇〇三年にごく一部の內容が公開された裏耶秦簡は、その後の湖南省文物考古研究所編『裏耶秦簡 壱』(文物齣版社、二〇一二年)の齣版などによってその內容が明らかになってきたが、統一秦の公文書群として貴重であるばかりか、かつての楚領域の中に存在した秦の遷陵県の公文書群であるという史料的性格が、鬆崎氏の論考の論點と関わるところが少なくなかった。
・・・なお、収載した各論考については、前述した通り、鬆崎氏ご本人が大幅に原稿に手を入れることが難しい狀況であることに鑑み、基本的に誤字脫字等の訂正と、語句のある程度の統一、ならびに図錶の取捨選択を実施した他は、初齣時のままとしてある。・・・裏耶秦簡に殘された行政文書や帳簿類は、鬆崎氏の重視した基層社會の傢族実態を明らかにする材料を含む可能性がある。その意味で、論文の公錶からすでに三〇年前後が経過してはいるが、その手法や視點は振り返るに足る価値を有していよう。
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