真実の父は、光源氏ではなく、亡き柏木なのか―心の迷路を彷徨う薫中将。薫の疲れた心を癒すが如く現れた、美しき姫―大君。そして、無頼な言葉とは裏腹に見守り続ける匂宮…。今、人の血と縁が出逢い、「源氏物語」に新たな光がうまれる。深遠なる闇をも伴って…。儚げな光を求める彼らに、闇より出し魑魅魍魎が襲い来る。陰陽師・白鴎の力を借り、圧倒的な闇、そして運命に挑む薫と匂宮だが…。絢爛たる平安世界に繰り広げられる、雅で不可思議な物語―。「妖説 源氏物語」、第三幕。
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