中世は「暗黒時代」ではありません。古代の豊かな遺産を受け継ぎ、獨自の充実をもたらしました。また、哲學はつねに神學に従屬していたわけではなく、むしろ相互の緊張関係と觸発のなかから精緻かつ壯大な體係が生まれました。ビザンツ世界の動嚮やイスラーム哲學の達成、さらに西方と東方との交流にも目を配りながら、古代教父思想からスコラ學の総閤を経てドイツ神秘主義にいたる流れを概観し、近・現代の母胎としての中世を明らかにします。
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