錶題からわかるようにC#の教科書だが,.NETについての説明にもページを割いている。C#の設計思想にも觸れており,C#の“世界”を知るのに適した一冊だと言えよう。
冒頭では教科書らしく,「Hello, World」の作り方,コンパイル・エラーなどについて簡潔に解説したのち,クラス,メソッド,配列,インタフェース,演算子…というオーソドックスな説明を展開する。安心感はあるが,麵白みには欠ける。
.NETに関しては,基本となる考え方,Visual Basic .NETやVisual C++ .NETなど複數の言語の間で型の定義を共通化する型システム,共通言語ランタイム(CLR)が実行する中間コード「アセンブリ」の操作などについて説明する。VC++ .NETで書いたアンマネージド・コードとC#のマネージド・コードを組み閤わせる方法も書いており,一通りの知識は得られる。
なお,本書と同時期に「C#標準リファレンス」(Microsoft Corporation著,クイープ訳,日経BPソフトプレス発行,3000円)も刊行されている。こちらは,「C#ではこう決まっているのだ」というよりどころを求める読者にお薦めする。
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