砂漠の塩 在線電子書 圖書標籤:
發表於2024-11-25
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鬆本清張(1909-1992)
小倉市(現・北九州市小倉北區)生れ。給仕、印刷工など種々の職を経て朝日新聞西部本社に入社。41歳で懸賞小説に応募、入選した『西郷劄』が直木賞候補となり、1953(昭和28)年、『或る「小倉日記」伝』で芥川賞受賞。1958年の『點と線』は推理小説界に“社會派"の新風を生む。生涯を通じて旺盛な創作活動を展開し、その守備範囲は古代から現代まで多岐に亙った。
道ならぬ戀の末、中東に死地を探し求める男女。清張版「愛の逃避行」。
「婦人公論」連載、婦人公論読者賞賞。
夫を日本に殘し參加したヨーロッパツアー。最初の目的地パリで一行と別れた野木泰子は、一人カイロへと嚮う。そこには、齣張先の香港から會社に辭錶を齣した榖口真吉が、彼女を待っているはずだった。
――妻を捨てた男と夫を裏切った女と、そして妻を求めてその跡を追う夫。不毛の愛を埋めるために砂漠の果てをめざす彼らに、贖罪はあるだろうか。神なき荒野の神なき愛を描く長編。
【映像化情報】
ドラマタイトルは「愛と死の砂漠」
1971年4月~9月。関西テレビ製作
齣演:小川眞由美(野木泰子)、平幹二朗(榖口真吉)
特別齣演:佐久間良子、有馬稲子
本文より
――生きるのが麵倒になったな。
真吉は投げ齣したように言った。
はじめは冗談だったが、次第にそれが真実を帯びてきはじめた。いっしょに死ぬことも真実になってきた。三カ月の間に、それが急速にかたまった。保雄や妙子に知れる時間と競っているような気持であった。
――死ねば、どこにでも、人が遺體を引きとりにくるだろうね。いやだな。誰にも見られたくないね。
真吉が、そんなことを言うようになった。
泰子は、はっとした。……(本書32ページ)
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