序
第一章 総説・世界遺産時代と日韓の民俗學
──ユネスコ2條約の受容をめぐって(岩本通彌)
はじめに──本書の目的と概要
一 日韓の文化財保護法──乖離と近接化
二 無形遺産條約の形成プロセスとその問題點
三 文化的景観の受容をめぐる日韓の相違と近接化
おわりに
第Ⅰ部 日韓の文化財保護法
第二章 日本における文化財保護法の展開(中村 淳)
一 法の概要
二 法の展開過程
三 文化財保護法の展開
第三章 韓國における文化財保護法の展開(丁秀珍 訳・室井康成)
はじめに
一 文化財保護法以前
二 文化財保護法の誕生
三 文化財保護法以後
おわりに
第四章 日本美術史/朝鮮美術史の成立(高木博誌)
はじめに
一 日本美術史の成立
二 朝鮮美術史の成立
むすびにかえて
コラム 韓國の無形文化財保護システムにおける「伝授教育製度」(金賢貞)
第Ⅱ部 無形文化遺産──民俗蕓能/民俗蕓術・工蕓技術および古武術
第五章 ユネスコ無形文化遺産になるということ
──奧能登のアエノコトの二一世紀(菊地 暁)
はじめに
一 ユネスコ無形文化遺産
二 地方行政の対応
三 世代交代
四 コミュニティ化
おわりに
第六章 江陵端午祭の苦境(南根祐 訳・川森博司)
はじめに
一 迎神祭儀の二段構成
二 虎患譚から婚姻譚へ
三 大城隍祠「復原」のアイロニー
四 復原主義民俗學の終焉──まとめに代えて
第七章 あのとき君は〈無形文化財〉だった
──文化財としての民俗蕓能の昭和三〇〜四〇年代(俵木 悟)
一 日本と韓國における「文化財としての民俗蕓能」
二 昭和三〇〜四〇年代の再検証
三 文化財としての民俗蕓能の価値認識
四 背景としての「民俗蕓術」以後
おわりに
第八章 無形文化財製度・工蕓技術における「個人」の問題(濱田琢司)
はじめに
一 無形文化財(工蕓技術)の構成と「個人」
二 「地方的特色」の稀薄さ
三 「人間國寶」の二重性──「市井派」と「古典派」
四 価値の多様性
おわりに
コラム 創造された韓國の伝統武蕓「テッキョン」(李承洙 訳・中村和代)
第Ⅲ部 文化的景観と自然
第九章 日本における文化的景観保護製度の展開と課題(纔津祐美子)
はじめに
一 世界遺産條約における文化的景観概念導入の経緯
二 日本の世界遺産と文化的景観
三 日本における文化的景観保護製度の導入
おわりに
第一〇章 安東河迴村伝統の創齣と関係主體の複數性(李相賢 訳・中村和代)
一 ユネスコ認定の韓國を代錶する伝統マウル「河迴村」?
二 重要無形文化財をめぐる河迴仮麵劇の復元と活用
三 民俗マウル政策と河迴村の既存文化
四 世界遺産登録論議と河迴村一帯の再定立
五 創られた伝統と河迴村の住民
第一一章 世界自然遺産・白神山地の観光化とその影響(青木隆浩)
はじめに
一 白神山地の世界遺産登録と観光化
二 観光化に対する製約と期待の乖離
おわりに
第一二章 伝説の義犬が甦った瞬間
──口碑の具現化を通してみる韓國人の「自然」観(フェルトカンプ、エルメル Elmer VELDKAMP)
はじめに──「伝説的義犬」の現在的次元
一 韓國の伝説における義犬伝説
二 「獒樹の義犬」の環境づくり──伝承の時空間の構築
三「義犬文化祭」の発展──村の祝祭からペット祭りへ
四 「獒樹の義犬」のイメージ統一と遺伝子的復原事業
おわりに──「獒樹の義犬」にみる現代韓國の「自然」観
第一三章 保護・活用対象としての「自然」と「文化的景観」(淺野敏久)
はじめに
一 濕地の「ワイズ・ユース」(賢い利用)
二 日韓の湖沼・乾潟保護運動の相違
三 日本の文化的景観保存運動の論理
四 考察および論點
コラム 韓國における「民俗」の位相
──笑いを介した抵抗と逆転の発想(川森博司)
索引
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收起)