唐代勲官製度の研究 在線電子書 圖書標籤: 隋唐史 官製 勳官 唐史 速水大 日本漢學 曆史 中國古代史
發表於2024-11-16
唐代勲官製度の研究 在線電子書 pdf 下載 txt下載 epub 下載 mobi 下載 2024
【前言】より(抜粋)
魏晉南北朝の動亂期、諸王朝で用いられた様々な製度は、隋に至って整理統閤され、それを継いだ唐王朝で完成すると考えられている。それは官製の場閤にもあてはまり、唐律令官製は魏晉以來の官製體係を基盤として成立した。…律令官製は、散官・職事官・勲官・封爵の四係統の階官に分かれる。なかでも中心となるのは散官と職事官とである。散官は文散官・武散官の別があり、官人の身分序列・俸祿特典・儀禮服飾などの基準となった。唐ではこれを本品といって重視した。そして、建前上は散官の品階と同等となるべき実際の職務が職事官である。散官は職務遂行後の考課によって昇格するため、さらなる上級職への昇進には、職事官での任務遂行が必要だった。他方、封爵と勲官はこの二官から獨立した形で存在していた。封爵は、皇族や功臣に與えられ、経済的な特典として食封が付與された。勲官は兵士の軍功に対して與えられたことを始まりとし、この官を帯びることで數種の特典が與えられたと考えられている。
これまでの研究では、多くの場閤、勲官は功績ある一般民に賜與される稱號で、価値が低く社會への影響は少ないものと考えられてきた。そのため、勲官自體は主たる研究対象とはならず、勲官が唐代にどのような役割をはたしたのかは、ほとんど省みられることはなかった。その結果、おおよその見方は一緻するものの、詳細な點になると各人各説に終始するという狀況に陥っている。しかしながら、律令官製の中心ではないから、おおよそで十分であるとは言えない。勲官製度は官製のみならず身分製や府兵製、さらには稅役製度などと深く関わり閤い、ないがしろにはできない問題なのである。例えば、授與対象の広さに目を嚮けると、勲官は官人から賤民にまで與えられ、唐代官製のなかで最も広範な身分にわたって授與された官であることが明らかとなる。しかし、従來の研究では、一般民丁と勲官所得者との関係が重視され、殘念ながら、官人や賤民が勲官を取得することの意義を正麵から取り上げることはなかった。また、勲官の軍事的な側麵に注目することで、新しい勲官像を発見することができる。これまでの研究では、勲官が一般民にまで広く與えられたことを前提に、白丁と勲官の同質性を強調する傾嚮があった。それは、勲官が白丁と同等の稅役負擔を課せられたとの見方に由來する。両者の負擔が同じであるから、地位も同程度であるという見方である。しかし、この見方に従うと、勲官は白丁や品子齣身の兵士達が昇進する第一の段階であり、白丁以上の身分の者が、白丁と同等の地位に昇格するという撞著をおこしている。これまでは、勲官が直接的な研究の対象でなかったために、このような単純な行き違いさえ問題とされてこなかった。唐代における勲官のとらえ方が曖昧なまま比較された當然の結果である。
本書では、従來の研究を整理検討して課題を抽齣し、個々の課題を解決することを通して新たな勲官像の構築を目指している。第二章から第六章までは、唐代における勲官の成立から玄宗期までの運用を明らかにしている。第七章から第十章までは、玄宗期の規定をもとに製度について検討した。これらの検討を通して、唐代の勲官製度の実態を解明したい。
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