序 章
第Ⅰ部 南宋における道學士大夫の政治意識
第一章 宋代道學士大夫の「狂」者曽點への憧れ――硃子とその弟子との問答を中心にして
はじめに
第一節 陳淳の思想形成と曽點問題
(一) 硃子の下學の教えと曽點
(二) 陳淳の陸學批判と曽點
第二節 硃子の曽點理解――「狂」と「狂妄」を中心に――
第三節 南宋における「內聖」「外王」思想と曽點への憧れ
(一) 曽點への憧れ――道學、書院、山水の地――
(二) 曽點への憧れ――硃子の『論語集注』改訂と「堯舜の事業」――
(三) 曽點への憧れ――厳世文の解釈にみる「為學」と「為治」――
おわりに
第二章 硃子學的君主論――主宰としての心
はじめに
第一節 國傢と身體とのアナロジー
(一) 硃子以前の「國傢有機體説」――君主=心、もしくは元首――
(二) 硃子の國傢有機體説――君主=心――
第二節 當為としての心の主宰
第三節 當為としての君主の主宰
おわりに
第三章 南宋孝宗朝における硃子の側近政治批判――『陸宣公奏議』受容の一側麵
はじめに
第一節 硃子の孝宗に対する期待と道學の帝王學受容の要請
第二節 士大夫の側近政治批判
第三節 経筵講義における『陸宣公奏議』の講読――南宋孝宗朝淳熙年間の事例――
第四節 『陸宣公奏議』と孝宗批判
第五節 孝宗の二麵性――名君の演齣――
おわりに
第Ⅱ部 一八世紀後半における『陸宣公全集』の受容と政治文化
第四章 一八世紀後半、尾張藩儒石川香山の生涯と思想――徂徠學批判と『陸宣公全集釈義』
はじめに
第一節 石川香山の生涯
第二節 石川香山の思想とその特質
(一) 尾張の崎門派硃子學と香山の硃子崇拝
(二) 石川香山の徂徠學批判と『陸宣公全集』
(三) 石川香山の博學と考証
おわりに
第五章 一八世紀後半、尾張藩儒石川香山と岡田新川のあいだ――その學術と政治意識
はじめに
第一節 岡田新川とその錶象
(一) 詩人としての岡田新川
(二) 博識としての岡田新川
(三) 「畸人」としての岡田新川
(四) 大田南畝と江戸蘐園學派との齣會い
(五) 校勘學者としての岡田新川
第二節 石川香山と岡田新川の思想的相違
(一) 學問観の相違
(二) 石川香山と岡田新川の政事観
おわりに
第六章 石川香山『陸宣公全集釈義』と一八世紀後半における名古屋の古代學
はじめに
第一節 『陸宣公全集釈義』の分析
第二節 石川香山の注釈と河村秀根・益根『書紀集解』の比較
第三節 石川香山『陸宣公全集釈義』誕生の現場と尾張の古代學
おわりに
第七章 石川香山『陸宣公全集釈義』と尾張藩天明改革の時代
――一八世紀後半における江戸期日本と清朝の政治文化(上)
はじめに
第一節 石川香山の君臣論と『陸宣公全集』
(一) 「民の父母」、「萬民撫育ノ為」の君主
(二) 人材の登用
(三) 學校を建てること
(四) 「下情を知る」
(五) 「納諌」「納言」
第二節 石川香山の理念と尾張藩政改革
(一) 人見璣邑の思想
(二) 細井平洲の思想
(三) 『陸宣公全集』と尾張藩政改革の時代
第三節 藩政改革の理念と君主によるその受容
(一) 尾張藩主徳川宗睦の「名君」像
(二) 「自己規律」する君主たち――水戸藩主徳川治保と尾張藩世子の治休・治興――
おわりに
第八章 張佩芳『唐陸宣公翰苑集注』と乾隆帝の宰相論
――一八世紀後半における江戸期日本と清朝の政治文化(下)
はじめに
第一節 張佩芳『唐陸宣公翰苑集注』の目的
第二節 乾隆帝の宰相論と尹嘉銓案
おわりに
あとがき
索引(人名索引・事項索引・書名索引)
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收起)