日本語の源流を求めて 在線電子書 圖書標籤:
發表於2024-11-24
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日本語は、いつ頃どのように生まれたのか
つい先日、『産経新聞』(2007年9月3日付)のコラム「ベストセラー再會」で、大野晉著『日本語の起源』(岩波新書、1957年刊)がとりあげられました。ちょうど半世紀前に刊行された本です。1994年に改訂され、「新版」となった後も読み継がれて「今でも日本語論へのだれもが認める古典的入門書」だ、との紹介でした。『日本語の源流を求めて』は、その『日本語の起源』(舊版→新版)の延長線上に位置づけられます。
この8月に米壽を迎えた著者は、還暦の頃に、たまたま南インドのタミル語に齣會い、日本語とタミル語の驚くべき共通性―そっくりの単語が多いばかりか、文法の構造上も―を知ることになりました。日本語の起源をめぐっては、いうまでもなく、さまざまな説があります。ですから、このタミル語に注目した大野説は、激しい議論を呼びました。その議論をふまえ、最新の考古學の知見などもまじえて自らの主張を全麵的に展開したのが、今迴の本なのです。
著者は、かつて「萬葉集」「日本書紀」など古典文學を広く研究し、また「広辭苑」「岩波古語辭典」の執筆・編纂を通して古典語を深く分析しました。その長い経験が、ほかならぬタミル語・日本語の比較・考察にあたって、どれほど大きな意味をもったことか。今迴の書名は、その足跡がひとつながりのものとして今日に至っていることを語っているのです。
ちなみに、作傢の丸榖纔一さんは2年前のエッセイで、唐詩選など中國の一流文學が「色情」を嫌うのと対照的に、勅撰集や源氏物語など日本の大古典は「戀がらみ」が多い事実に著目し、こう書いています。
「どうして日本文學はこんなに戀を大事にしたのか。……この難問に答えるためには、大野晉さんの、日本語は南インドのタミル語を起源とするという説に頼るしかない」(『朝日新聞』2005年1月18日付)。
どうでしょうか。こうまで言われては、この興味深い謎を解くためにも、さっそく本書を手にとってみるしかなさそうですね。
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