『中國古代の年中行事』は、文獻に殘された隋唐までの年中行事記事をできるだけ多く集め、最終的には、中國古代の年中行事の全容と、その特質を解明しようと試みるものである。そのためには、まずは隋唐までの年中行事の個々の事実を確認する必要がある。本書は、中國古代の年中行事のうち、正月から三月までの年中行事を述べたものである。
正 月
一 正月〔正月の異稱/正月という所以/正月を端月という〕
二 隋唐の正月〔正月は三長月/手実の作成月/入學/正月の長安の雪/嶽州の梅・幽州の雪〕
三 元日〔元日の異稱/元日の始まる時刻〕
四 元日の行事〔迎神/新暦/爆竹/一年の計/傢宴/伝座/蔵鉤の戯/嫁樹〕
五 元日の門戸の飾り〔六世紀の門戸の飾り/畫鶏を貼る/桃闆・桃符/神荼と鬱壘(門神)/門に楊柳枝を挿す/虎の絵/葦索(しめなわ)/門鬆/鍾馗/吹き流し〕
六 年始休暇〔官人の年始休暇/官戸・官奴婢の年始休暇/「祠部新式第四」の年代〕
七 元日の食べ物〔五辛盤/假花菓/元陽臠(蘇州)〕
八 元日の酒〔屠蘇酒/屠蘇酒の作り方/「屠蘇」の由來/『荊楚歳時記』の屠蘇酒/『肘後備急方』の屠蘇酒/『雑五行書』の屠蘇酒/『斉民要術』元日の呪い/椒酒/柏酒/藍尾酒〕
九 元日の節物〔絲鶏(洛陽)/蝋燕(洛陽)/粉茘枝(洛陽)/箕帚/長生花/迎年佩〕
一〇 元日の朝廷〔火城/朝賀/宣政殿の朝賀/朝賀と貢人/元會/元會の諸蕃使/発號令/元會の餘興/東宮獻壽/諸州官府の元日〕
一一 元日の寺観參詣〔寺観參詣/俗講/宋代の元日風景〕
一二 元日の占い〔元日、晴明無雲/疾風盛雨/元日、風雨/元日、霧/元日、雷雨/元日、雨水/元日、立春/十乾で豊凶を占う/歳首雑占/元日の黃雲気/元日の青雲気/元日の赤気/元日の黒気/元日の東方青気/元日の東方白雲/元日の東方赤雲/元日の東方黃雲/元日の南方赤雲/元日の南方黒雲・青雲/元日の南方白雲/元日の南方黃雲/元日の日齣の赤雲/元日の日齣の四麵赤雲/元日の占雷/元日、雨/二日、雨/三日、雨/四日、雨/五日、雨/元日の南風/元日の西風/元日の東風/元日の北風/元日の西北風/元日の東北風/元日の東南風/元日無風/元日大寒風/元日に歳星を占う/元日の朝に八風を占う〕
一三 元日の俗信〔如願の故事/桑樹を照らす/闢兵の呪い/敗履を庭に埋める/敗箒を焼く/瘟気を禳う/売買に吉/臥蓆を焼き時気を禳う/赤小豆で無病の呪い/麻子で無病の呪い/麻子と小豆で瘟気を闢く/牛臥の占い/蠶室の鼠よけの呪い/元日の大雪は豊年/鏡聴/香湯に浴す/太歳に虎頭を戸上に懸ける〕
一四 周辺諸國の元日と歳首〔新羅の元日/亀茲の元日/焉耆の元日/康國の歳首/南詔國の歳首/諸國の歳首〕
一五 二日、點燈張楽 (成都)
一六 三日の行事〔墓參(四川地方)/豊穣の呪い/洗頭〕
一七 四日、立春〔立春/立春休暇/「宜春」字を貼る/神水を汲む/富貴の呪い〕
一八 王朝の立春祭祀〔隋代の青帝祭祀/唐代の青帝祭祀/立春の土牛〕
一九 立春の占気〔立春の雑占1/立春の雑占2/立春の占雲気/立春の北東風/立春の西南風/立春の正西風/立春の東南風/立春の南風/立春の東風/立春の西北風/立春の北風
二〇 立春の節物〔綵勝/綵花/綵鶏/綵燕/青旛勝/玩具の鶯〕
二一 立春の食べ物〔春盤/春餅/鬍餅/鬍餅の起源/鬍餅の実體/漿粥/洞庭春色(酒名)〕
二二 立春の日より死刑を停止〔立春の日より死刑を停止/その他の死刑停止月日/大祀と緻斎〕
二三 五日、戸等を定める(隋代)
二四 七日、人日〔人日の由來/人日休暇/人型と人勝〕
二五 人日の行事〔登高/江を渡る(萬州)/打毬/南朝時代の人日/『荊楚歳時記』の打毬と鞦韆の日〕
二六 人日の食べ物〔七菜の羮(七草粥・六一菜)/煎餅(薫天)〕
二七 人日の俗信〔無病の呪い/鬼鳥が渡る/歳首の占い〕
二八 九日、南郊の祭祀〔南郊の祭祀/開成六年の南郊祭祀〕
二九 一〇日、衛士の名簿を作成(県)
三〇 一二日、雲開節(年始行事の終瞭 宋代の嶽州)
三一 一五日、上元節〔三官/上元節の起源/隋代の上元節/上元休暇/道経の講義〕
三二 上元節の節物〔火蛾児/閙蛾/雪柳/絲籠〕
三三 上元節の食べ物〔赤小豆粥/芋郎君/黃柑(伝柑)〕
三四 上元節の禁令〔禁令/違反者の処罰〕
三五 一五日の抜河と相撲〔抜河(綱引き)/相撲〕
三六 一五日の燃燈(張燈)〔燃燈の起源/隋代の燃燈/長安の燃燈/宮中の燃燈/燃燈の期間/寺観參詣/犯夜の解禁〕
三七 各地の燃燈〔洛陽の燃燈/成都の燃燈/定州の燃燈/揚州の燃燈/杭州の燃燈/蘇州の燃燈/襄州の燃燈/涼州の燃燈/楚州の燃燈/滄洲の燃燈/幽州の燃燈/沙州の燃燈〕
三八 一五日、蠶神を祀る
三九 一五日夜の行事〔一五日夜の行事/紫姑神を迎える/打簇の戲(北朝)
四〇 一五日、奉勅俗講の開始日〔俗講と僧講/奉勅俗講/揚州の俗講〕
四一 一五日の俗信〔豊凶を占う/富貴の呪い/子授りの呪い/闢蟲の呪い/華北の如願/瘟気を闢く〕
四二 一六日、耗磨の日
四三 一六日、結羊腸を作る
四四 二〇日、補天穿(華中)
四五 晦日〔晦日休暇/水辺の宴楽/窮(疫病神)を送る行事/宋代の窮九(池州)/晦日の食べ物/醤を作る〕
四六 晦日の俗信〔白髪防止の呪い/穀価を占う/嫁樹〕 四七 探春
四八 正月の俗信〔器を壊すことを忌む/四日、白髪防止の呪い/八日、沐浴/卯の日に桃枝を戸上に著く/上寅の日に厠の草を焼く/寅の日、白髪を焼く/辰の日、鼠を駆除す/一〇日、石を埋める呪い/正月甲戌の日の東風と穀価/正月甲寅の日の西北風と穀価/正月庚寅の日の西風と穀価/盜賊を闢ける呪い/衣服を洗濯しない/正月上甲の風〕
四九 正月の食忌〔宍を食べない/鼠の殘食を食べない/生蔥を食べない/虎・豹・狸の肉を食べない/蓼を食べない/韮の羮を食べない〕
本書のまとめ/引用文獻目録
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收起)